
7時15分、ドアのベルが鳴る。ルーシーがいつものように下で待っているのだ。階段を滑り降りるように4階から一気に駆け降りる。ランドセルは重いけれど降りる時は簡単だ。途中エニーサをさそって3人で学校に着く。7時30分、始まりのベルが鳴ると間もなく担任のシューデルバッハ先生が元気に入って来る。教壇に立つと眼鏡を下にずらして、僕の方を見ながら“今日はルカス君の誕生日です、おめでとう!”と云った。一斉にいろいろな声があがる。2、3列前に座っている親友のパウルが、昨日受け取ったばかりの招待状を見せながら何度もうなづく。
12時過ぎに授業が終わり、僕は学童保育に行かずにまっすぐ家に帰る。パパとヴォルガングおじいちゃん、アマ(ガービーことパパのママ)がベルリンからやって来るからだ。ママが劇場から昼休みに戻って、みんなで食事に行く。あぁよかった!パパはポケモンのゲームソフトとハリーポッターの全4刊をプレゼントしてくれた。ママはあまり良い顔をしない。僕が熱中しすぎるからだ。
いよいよ9日遅れの誕生日のパーティーだ。ママと考えたチョコレートフォンデューとハンバーガーを用意した。ミミがフォンデューに使う果物をシュトットガルトから沢山持って来てくれた。ママは苺のデコレーションケーキを焼いてくれた。“ママのケーキが美味しいのは、珠屋の味を忘れないでいるからよ!”とママは云う。僕は夏の休暇でフランスやイタリー、ポルトガル、デンマーク、カナリヤ島まで行った事があるけれど、日本にはまだ行っていない。10才になったら行こうと決めている。