
暮からお正月にかけて忙しくしていた妹より、ようやく寒中見舞ということで電話が入った。もう日本では水仙や梅を楽しんでいるという。
「あぁ、あの梅の甘い香り・・・・」懐かしい日本の風情が目に浮かぶ。お茶室のほの暗い贅沢の中にさり気なくいけ込まれた名もない花などの「侘び・寂」を思う。やはり私は日本人なのだ。
ここベルリンのプラタナスや栗などの大木もすっかり葉を落とし、グレーの空間におばけのような黒々とした影を広げている。
“僕は四分の一日本人”に大晦日の様子を書きかけ忙しさにまぎれて時期を逸してしまったが、それをFAXしてくれるようにということで整えてみた。
昔の日本の我が家は、お煮〆めの香りとグツグツという音を感じながら、湯気一杯のなかで塵一つ残さぬよう掃除をしながら、除夜の鐘の音を聞いたものだが、ヨーロッパの大晦日は馬鹿気るほどの工夫をそれぞれが凝らし、カウントダウンから始まり夜中の12時、時計の針が重なると同時〈決して1秒でも遅れないようキッカリに〉シャンペンのあの独特の音とともに、過ぎたものには一切こだわらず新しい年を迎える。