僕は四分の一日本人“もうすぐクリスマスだ!!”  MTW006/2003/December

 待降節(キリスト教でクリスマス前の四週間)に入るとアベントカレンダーが壁にかけられる。このカレンダーは天使が持ってくるものだ、と8歳になるまで僕は信じていたのだ!
 仲間内では物知りで通っている僕なのに・・・・こんな子供だましになぜ気が付かなかったのだろう。
 でも僕のカレンダーは特別のものだった。空を飛ぶ翼をもった馬に24個のプレゼントがついていたのだから。プレゼントの中味は文房具だったり、小さなチョコレートだったりした。カレンダーの下に一杯落ちている金や銀の星屑のような道をたどっていくと屋根裏部屋に消えていく。それは天使の足跡だった。
 もうひとつ告白すると、実はサンタクロースも僕は信じていた。あの頃クラスメートたちはどうにも困ったような顔をして僕を見ていた。それを思い出すと、今でも顔から火がでるほど恥ずかしくなる。
 僕が八歳のクリスマスはおとなりのハツハさん家族と一緒にイブを祝った。ハツハさん家のエニッサとシェラーと教会から<子供の礼拝>を済ませて帰ってくると、とてもきれいに飾られた天井にもとどくような大きなモミの木の下に色とりどりの包装紙にリボンをかけられたプレゼントが置かれていた。
 「ちょうど今サンタさんが広場を横切って帰っていったのを見たわ」というママの言葉が終わるか終わらないかというときに、玄関のブザーがなった。
 とたんに4歳のシェラーは体を硬くした。同級生のエニッサはなんとなくうれしそうだった。誰がドアを開けに行ったのかは覚えていないけれど、突然大きなサンタが僕たちのいる居間の入り口に姿を見せたのだ。
 身動きできずにいる三人のまえでサンタは悠然と大きな白い袋を肩からおろし、中から分厚い記録書を取り出した。その大きな皮表紙は金色のコードで飾られていた。
 それを見たとき僕はちょっと胸がドキドキした。サンタはまず、一番小さなシェラーの一年間の良い行いを読み上げた。
 そしてゆっくり本を閉じると大きな白い袋の中から可愛らしいウサギがぶら下がっているリュックサックと、帽子がプレゼントされた。次はエニーサの番。サンタはフルートやピアノの稽古に熱心だったことを褒め、毛糸の帽子と手袋のセットをくれた。
 いよいよ僕の番だ。「ルカス君、きみはクラスの友達や少年合唱団の仲間とも仲良く、勉強もしっかりしているが、、、、君の部屋を見せてもらいたい」といって僕の方を押した。ちょっと緊張した。僕はサンタを部屋に案内した。サンタは大きなおなかをしていて、ほっぺや鼻が真っ赤だった。
 今日はいつもより少し整理をしていたのを思い出しすこしほっとした。そのあと三人でサンタさんへお礼にクリスマスのうたを二曲歌った。
 今年10歳になった僕は、今日パパやママ、マルティンおじいちゃんやミミのためにプレゼントを作りながら「シェラーはまだ天使やサンタを信じているんだろうな〜」と思った。
 そして二年前のあのクリスマスを思い出し、なんとなくうれしくなった。「ママありがとう、声楽家のママもステキだけど、なんでも上手なママも大好きだよ!」ママの料理はおいしいし、ケーキも最高。今日も家中にはママの焼くクッキーのいい匂いがあふれている。
 もうすぐ、クリスマスだ!!少年合唱団の歌うクリスマスのCDをかけた。僕は曲に合わせて一緒にうたった。
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